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世界遺産になった佐渡の廃校跡地に宿泊施設をオープン
災害時対応も見据えてトレーラーハウスを活用

佐渡の伝統的な街並からインスピレーションを得た黒い外装

2024年8月8日(木)、新潟県佐渡市の廃校となった旧・沢根小学校グラウンドに、トレーラーハウスを活用した宿泊施設「佐渡風流~nagomi~」がオープンしました。

計画の背景

本施設は、トレーラーハウスを手がける株式会社エリアノ(東京都千代田区)と佐渡精密株式会社(新潟県佐渡市)が連携し、地域の課題解決や地域の活性化を目的に共同開発しました。

佐渡市は日本海で最大の面積を誇る離島で、自然、文化、歴史の多様な魅力・特徴を持つエリアです。佐渡金山がユネスコ世界遺産登録に決定したこともあり、今後、宿泊施設の不足が進行することが見込まれています。

エリアノは、旅行としてもワーケーションとしても楽しめ、毎年訪れたいと思えるような施設づくりを地域の関係者の方々と共創していく活動をしています。今回、佐渡市とともに旧・沢根小学校グラウンドでトレーラーハウスを活用した滞在拠点を構想し、デジタル田園都市国家構想交付金に共同申請、24年3月に採択を受けました。本計画では「廃校跡地を再活用して宿泊施設の拡充を図ること」「佐渡の観光やワーケーションを受けいれることで滞在時間、関係人口、関係企業の増加を図ること」「災害時の避難場所としての活躍」を目的としています。土地の有効活用、災害時対応、将来の土地計画へのフレキシビリティを確保するために、移設が可能なトレーラーハウスを使用する計画を進めました。

「佐渡風流~nagomi~」所在地

災害時対応も見据えた計画で設置

トレーラーハウスを設置した場所は、佐渡市立旧・沢根小学校(2018年3月31日に閉校)の跡地です。高台の立地にあるため、令和6年(2024)能登半島地震の際には自主避難されてきた住民の方がいましたが、閉校していたために十分な受け入れ対応ができず、災害時の拠点整備の必要性の声が上がっていました。今回トレーラーハウスを設置することにより、災害時の拠点整備として活用することも見据えています。

旧・沢根小学校の校舎
グラウンドに面した体育館
計画前は雑草地だった
グラウンドは、真野湾を臨む絶景地

キャビン(客室)について

大人最大4名のトレーラーハウスは、ファミリーやカップルなどの個人利用のほか、ゼミ合宿といった学生の利用、ワーケーションやオフサイトミーティングなどのビジネス利用等、幅広い利用機会を見込んでいます。

室内には、住宅設備(シャワールーム、トイレ、洗面所、キッチン)を設置。内装には白と天然木を基調としたシンプルな色合いのなか、佐渡金山からインスピレーションを得た金色のアクセントクロスをあしらい、シンプルながら記憶に残る内装となっています。各トレーラーハウスには、無人チェックイン・チェックアウトの宿泊DXを採用しつつ、遠隔での防犯カメラによる安全対策も実施しています。

各棟には専用のデッキ空間を整備し、焚火やBBQを楽しめる環境の用意も。外観は、佐渡の伝統的な街並みが今も残る宿根木エリアを訪れ、佐渡の黒系の塗装がされた天然木による鎧張りの家屋からインスピレーションを得たデザインが施されています。

Cabin A 平面レイアウト
CABIN(Type A)
Cabin B 平面レイアウト
CABIN(Type B)
各棟に備え付けの専用デッキと焚火台

「佐渡風流 ~nagomi~」
住所:新潟県佐渡市沢根2番地(佐渡市立沢根小学校跡地)
室数:3棟
定員:各棟 大人最大4名
面積:約25㎡
アクセス:新潟港から佐渡汽船で両津港に向かい、両津港からバス、または車で30分〜40分
公式サイト:https://sadofuryu.com/