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2023年秋、益子・笠間陶器市は、暮らしに馴染む手仕事に出会える/作家や窯元に出会う歓びを味わいながら、この秋、最高の旅を楽しもう

爽やかな秋晴れとなった2023年11月初旬の三連休。

茨城県と栃木県にまたがる地域で開催される日本屈指の陶器イベントが、いよいよ始まった。

陶器市は、個性豊かな作家や窯元との出会い、さらに地元のグルメや自然も楽しめるのもいい。

都内からもアクセスがいい地域でのイベントだから、日帰りでも十分。自由気ままに訪れてみよう。

益子・笠間陶器市の魅力とは

益子町で春と秋に開催されている「益子陶器市」、そして茨城県笠間市で開催されている「陶と暮らしKASAMA」。

この地域で作られる独特の陶器は、日本全国から評価されており、毎年多くの観光客が訪れる。

11月の陶器市では、期間限定の特別販売や体験イベントが開催され、個性豊かな作家や窯元との出会いが楽しめる。

周辺には自然豊かな公園や美味しいグルメスポットもあるので、訪ねればきっと充実した旅になるはず。

個性豊かな作家や窯元との出会い

作家たちは、個々の感性や技術を活かして、様々なスタイルの作品を制作している。個展やテント販売などで、作家の作品をじっくりと鑑賞することができるのはもちろんだが、もしタイミングが合えば、作家本人と直接話すこともできるし、作品の背景や制作の想いに触れることができるのが陶器市のいいところ。次回、窯元訪問に行ってみて制作風景を見ることができるかもしれない。

 

2022年、単独ブースとして初出展した作家、千葉こずえさん

美しいフォルムの花器や器が多くのファンを魅了

千葉さんは、2022年秋に開催された「陶と暮らしKASAMA」に単独ブースとして初出店した。

その初出店の年に訪れたミツケルニッポン編集部は、ひときわ目立つブースがあったので立ち寄った。

器を2点3点と抱えたお客様が列をなして会計を待っており、棚にある器が次々となくなっていく様子をみて、筆者も慌ててブース内の作品を物色。さっそくお気に入りを見つけて列に並んだ。千葉さんには、ファンを魅了する作品を生み出すのはもちろん、勢いを感じる作家なのだ。

静岡県浜松市に生まれた千葉さんは、2019年まで写真関係の仕事に従事していた。クリエイティブな仕事に就いていたこともあるのだろうが、もともと興味のあった陶芸に傾倒していき、茨城県立笠間陶芸大学校に入学。そもそも笠間には、陶芸専門の大学があるのか、と改めて陶芸の町を思い知る。聞けば社会人の学生も多いらしく「現代陶芸をリードする陶芸家を輩出する産地」と「手作りを基本に日用陶磁器を生産する産地」の両面を併せ持つ陶芸産地を担う人材育成を行っているそうだ。

2021年に笠間陶芸大学校を卒業した千葉さんは、平日は陶芸作家さんの雑務を行う事務員として働きながら、自身の作品を制作する日々を送る。そして2022年、笠間市に根をおろすべく築窯し、独立することになった。もともと写真家だったこともあり、生み出される作品は自ら撮影している。美しい作品の数々は、Instagramで投稿されている。

初めて単独ブースとして参加した昨年の陶器市では、「販売する作品が足りなくなるかも?!」とおどけた表情を見せてくれた。とてもキュートな方で、その笑顔にすっかり魅了されてしまった。翌年の春の陶器市も大盛況だったようだ。筆者も昨年、手のひらサイズの少し深みのある器を購入。ちょっとした総菜をのせても少しリッチに見えるので、日々の食卓で活躍してくれている。

「陶と暮らしKASAMA」は、手作りの陶器を暮らしにもっと取り入れてほしいという思いでスタートし今回で11回目。

各作家それぞれの新作を含む多数の笠間焼の展示販売をしている。いっぽう「益子陶器市」は、益子、笠間を中心に、全国から陶芸作家が集まり、手作りの陶器が販売される。

陶器市デビューなら必見、楽しみ方と選び方

数多くの陶芸作家や陶器販売店が出店する陶器市は、初めての方にも楽しみ方や選び方がある。

– まずは、会場内の販売店をじっくりゆっくり見て回る

– 自分の好みの作家を見つけて、作家さんと話してみる

– 会場内で開催される無料の陶芸体験があれば、参加してみる

– 出店者と交流し、作品の背景や技法について学んでみる

– イベント周辺の観光スポットやグルメも楽しむ

陶器市は、地元の伝統工芸を知るだけでなく、新たな出会いや発見がある場。

初めて参加する方でも、楽しみ方や選び方を押さえておけば、きっと充実するはず。

初心者も安心、陶器選びのポイント

さらに陶器市で初心者が陶器を選ぶ際のポイントは、こちら。

1. 用途を決める: どのような場面で使いたいかを考え、器の大きさや形状を選ぶ

2. 価格を比較する: 同じような作品でも価格帯が異なるため、予算に合ったものを探す

3. 作家や窯元に注目する: 作品の特徴や技法を知ることで、自分が好む作品を見つけやすくなる

4. 直感を大切にする: 自分が惹かれる作品を信じ、迷わず手に取ってみる

これらを押さえつつ、自分の目でじっくりと品定めて

納得のいく作品を見つけたら、購入を検討してみよう。

高品質な作品に出会えるコツ

手仕事だからこその魅力を放つ陶器。とはいえ高品質な作品に出会いたい。

それを見つけるコツがある。

まずは、作品の仕上がりや質感に注目してみよう。

次に、釉薬のムラや、割れや欠けがないかをチェック。

作家の経歴や評価も参考に、信頼性のある作品を見極める。

こうしたポイントに留意して、品質が良い作品に出合うことができるのだ。

2つの陶器市へのアクセス

「益子陶器市」の会場は、自然に囲まれた公園や広場で開催され、家族連れにもおすすめ。アクセスは、東京からJR水戸線を利用し、益子駅で下車するのが便利。いっぽう「陶と暮らしKASAMA」の会場は、森の中心部で開催されるため、自然を感じながら散策できる。JR水戸線の笠間駅からバスで移動することが一般的であるが、周辺観光も楽しみたい場合は、車でのアクセスがおすすめ。いずれも臨時駐車場はあるが、午後になると満車になる可能性が高いので、午前中には現地に到着していることをおすすめしたい。

陶器市には、陶芸作品との出会いだけでなく、作り手の顔がみえることも魅力。作家や窯元との素敵な繋がりを作るきっかけになるかもしれない。益子・笠間陶器市で素敵な陶器や想い出を見つけて、この秋、最高の旅を楽しもう。

【各陶器市の概要】

●「陶と暮らしKASAKA」

開催期間:2023年11月2日(木)~11月5日(日) 午前9時~午後4時(最終日は午後3時半まで)

場所:茨城県笠間市 芸術の森公園内 笠間工芸の丘特設会場

URL:陶と暮らし2023 (toutokurashi.com)

 

●「笠間陶器市」

開催期間:2023年11月3日(金)~11月5日(日) 午前9時~午後5時

URL:益子陶器市 (mashiko-db.net)