クラフト系飲料のムーブメントの勢いが止まりません。国産の「クラフトジン」もそのひとつ。ジントニックやジンライム、マティーニなど人気のカクテルに使われるジンには、ボンベイサファイア、タンカレー・ギルビーなど世界的に有名な銘柄も多数。近年日本でも次々と新しいクラフトジンが作られ、注目を集めています。
そして2023年10月には、スターマーク株式会社(東京都港区)が「東京ジン」を発売しました。
そもそも「ジン」とは何からできているのか。
ジンは、蒸留酒で世界4大スピリッツ(ウォッカ・ラム・テキーラ・ジン)の一つ。雑味が少なく、飲みやすいのが特徴です。大麦、ライ麦、トウモロコシ、ジャガイモなどの穀物を原料(ベーススピリッツ)に、ジュニパーベリーを基本としてハーブや果物の皮、スパイスなどボタニカルの原料で風味づけをします。
ジンの本場イギリスでは、「ジュニパーベリーの香りが主体」「瓶詰め後アルコール度数は37.5%以上であること」と定義されています。ですが、逆に「ジュニパーベリーが香りの主体」ということを守れば、自由に原材料を使用して作ることができるのがジンの魅力のひとつでもあります。
「ジン」が人気の理由
ジンの歴史は古く元々は薬用酒でした。1660年頃オランダの医学教授がジュニパーベリーを使って作った薬用酒が始まりで、その後イギリスに伝わり「ジン」として確立、世界的に有名なお酒となったと言われています。
では何故、現代においてもジンが世界中の人々に親しまれているのか。その理由の一つに原料が自由ということがあげられます。「ジュニパーベリーの香りが主体」という定義はありますが、それ以外は、自由に原料のハーブや例えば抹茶など…その地域の特産品をいかし、作ることができるからです。
近年、国内においても、米や麹、しそや柑橘など日本ならではの“和のボタニカル”を使用したジンも生産されるようになりました。サントリーが2020年に発売したジャパニーズジン「翠SUI」も、テレビCMなど大型のキャンペーンを行っただけでなく、あっという間にポピュラーなアルコール飲料として認知されていったのは、その雑味のない飲みやすさや、料理とマッチする美味しさにあるかもしれません。2022年にはソーダで割った商品も登場し自宅飲み派にも嬉しいブームになっています。また、2018年には世界三大酒類コンテストのひとつ「インターナショナル・ワインアンドスピリッツ・チャレンジ(IWSC)」で、京都のドライジン「季の美」(京都蒸留所)が最高賞を受賞し、日本のクラフトジンが世界的にも有名になりました。
江戸時代から続く老舗店とコラボレーションで生まれた「東京ジン」
スターマーク株式会社が運営する「県ジンプロジェクト」から生まれた「東京ジン by agataJapan」は、300余年続く「にんべん」の本枯鰹節をボタニカルの原料とし、宝永年間に創業した楊枝店「日本橋さるや」監修で香木・黒文字(クロモジ)を使った爽やかな香りのするジンです。パッケージデザインには、天保13年創業の浴衣店「竺仙」の行儀小紋柄を使い、いずれも江戸時代から続く老舗店とのコラボレーションで新しい東京名物を目指しています。
また、食中酒として楽しめる「東京ジン」は特に和食との相性が格別です。
県人も、そうじゃない人も。みんな、笑顔にしたい
「県ジンプロジェクト」は、全国47都道府県、それぞれの特産品を使用したクラフトジンを企画・開発し、発信していく取り組み。
コロナ禍によってお酒を酌み交わすことが難しかった3年間。その空白の時間を埋めるコミュニケーションのきっかけとなるような商品をつくりたい、という想いから「県ジンプロジェクト」をスタート。
ご当地ならではの特産品のフレーバーをボタニカルとして最大限引き出し、美味しさにこだわるのはもちろん、お酒を片手に集まる場での楽しいコミュニケーションツールとしての商品化を目指しています。また「地域のよいものを世界へ」をコンセプトに、都道府県ごとの魅力の発信や地域活性化、生産者や販売者をつなぐことも目的としています。
「東京ジン」は、千葉県の落花生を使用した「千葉県ジン」、江戸時代から営むわさび農家の山わさびを使用した「静岡県ジン」に続く第3弾。今後も各都道府県の特産品を使用した「県ジン」から目が離せません。
【「東京ジン」購入先】
老舗通販.net :https://shinisetsuhan.net