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一軒のレストランから地方を再生させたシェフによる塾、この春開講

地域活性のマネジメント術で、プロを輩出

近年、地域経済の活性化には欠かせない「食」を通じた様々な取り組みが行われていますが、山形・庄内地域の活性化に貢献してきたシェフの奥田政行氏は、“食の地域プロデューサー育成塾”「奥田塾」を2024年4月27日(金)から東京・銀座で開講するといいます。

山形・庄内地域を再興させたレストラン

山形県鶴岡市に位置するイタリアンレストラン「アル・ケッチャーノ」は、庄内の稲田が広がる自然に囲まれた場所にあります。在来作物や魚介などの新鮮な庄内地域の食材を最大限に活かした料理は、2000年の創業以来、多くの人々を魅了し続けています。
オーナーは、地産地消ブームの立役者でもある奥田政行氏。わざわざ地方にある飲食店にいくことを目的に旅の計画をたてるのは、食通のみならず、今ではごく一般的なものになったことも、同店がそのきっかけを作ったとも言えそうです。ちなみに「アル・ケッチャーノ」とは庄内弁で“(ここに全部)あるからね”という意味。遠くから取り寄せなくても最高においしい食材は実は身近にあるのだ、という地産地消の良さを店名に変えた奥田氏のメッセージでもありました。
そして、この4月から始まる「奥田塾」には、食を通じて山形・庄内地域を再興してきた奥田氏によるメソッドが、次世代のプロデューサーに伝授されていきます。

奥田政行シェフ

 

地方再生のレシピ「奥田式地域マネジメントメソッド」

「奥田式地域マネジメントメソッド」とは、奥田氏が食を通じて地域経済を甦らせてきた成功の背景にある理論と実践をまとめた方法を、次世代のリーダーたちに伝えていくものです。

(1) 地域特有の食文化の創造:地域の自然環境マップの作成
地方の食習慣を深く分析し、その地域に根ざした独自の味が学ぶ。地域振興における食を通じた取り組みでは、地域の食材を活用し、地域固有の食文化の構築に努める。

(2) 記憶に残る食体験の提供:味覚地図の作成
料理を通じて、「口の中で新たな味が生まれる体験する」手法を会得。顧客が「もう一度食べたい」と思うような印象深い料理を作ることで、リピーターの獲得と新規顧客の増加を目指す。

(3) コミュニケーションと関係構築の技術:地域の人間関係マンダラの作成
お節介と必要とされることのバランスを見極め、トレンドに敏感であることを学ぶ。メディアや地域コミュニティを巻き込んでブームを生み出し、持続的な関心を喚起することが求められる。

35年にわたって磨き上げてきた奥田氏によるこれらの哲学と理論で、日本の地域活性化に貢献していく人材を育成していく奥田塾。
奥田氏は、「塾生が自らの夢へ進む力を育てることが私たちの目的」とし、「地方を元気にする学びの旅を、私たちと共に始めましょう。」とこれから受講する塾生へメッセージを送っています。

塾生の対象は、地方公共団体、NPO法人、民間企業、地域づくりに取り組む団体や個人、また観光業や飲食業に携わる人などさまざま。学生から研究者まで、地域を創生したいという目的をもつ人なら誰でも受講可能。
4月27日~10月26日の約半年、個別で奥田シェフのコンサルティングを受けたい人向けの「プレミアムコース」、奥田シェフに直接会って講義を受けたい人向けの「レギュラーコース」、また、地方在住で東京まで通うことが難しい人向けの「オンラインコース」も予定されています。

今年初めて開講する奥田塾は、今後も継続して年次プログラムとして実施していく意向といいます。奥田氏からのメソッドを受け継いだ塾生らが日本の各地で地域の活性化のために励み、地方から日本全体を元気づけ、食で地域の魅力を最大限に引き出してくれることでしょう。それは、遠い未来でないと期待してやみません。

【奥田塾概要】
受講日程:2024年4月27日~10月26日 全10回
受講場所:ヤマガタサンダンデロ(東京都中央区銀座1-5-10 ギンザファーストファイブビル2F)※オンラインコースもあり
公式URL:https://cuisine-kingdom.com/okudajuku/