創業118年の歴史を持つ老舗缶メーカーである側島製罐株式会社が、地元・愛知県の伝統産業「七宝焼」とコラボレーションし、あま市にある「あま市七宝焼アートヴィレッジ」にて、新たなワークショッププログラムをスタートしました。約190年の歴史を誇る「尾張七宝」と缶の融合を通して、伝統産業の新たな価値を創造し、地域の活性化に貢献することを目指していくとのことです。
「缶×七宝焼」の可能性を探る
今回のコラボレーションの背景には、缶の新しい価値を見出し、缶を通じてこの地域を盛り上げたいという思いがあるそう。七宝焼は、金属にガラスの釉薬を乗せて焼き上げる技法で、その美しさと独自性が高く評価されています。スチール製の「缶」にも直接この技法を適用できるのではないかと考えたそうですが、実際には七宝焼の素材は銅や銀などが一般的であり、スチールでは焼成中に焦げてしまう可能性があることが判明しました。
そこで、缶にくぼみをつけ、その部分に七宝焼を施した銅板をはめ込むという新しい形を採用。この方法によって、七宝焼の美しい作品を缶と融合することが可能となりました。
七宝焼アートヴィレッジからの声
七宝焼アートヴィレッジのワークショップを担当する野口氏(あま市:野口製作所)は、「今までワークショップではブローチやペンダントなどのアクセサリー類の制作は取り扱ってきたが、入れ物(容器)を作れるワークショップはなかった。新たな客層にもアプローチが出来る可能性が見出せそうで楽しみだ。」と話します。このコラボレーションにより、七宝焼の新しい可能性が広がり、地元の伝統工芸の魅力をさらに発信できることに貢献したいと考えているそうです。
側島製罐株式会社
所在地:愛知県海部郡大治町西条字附田89
HP:https://sobajima.jp/
あま市七宝焼アートヴィレッジ
所在地:〒497-0002 愛知県あま市七宝町遠島十三割2000
HP:https://www.shippoyaki.jp/history.html