2024年10月27日(日)、静岡県長泉町の文化複合施設「クレマチスの丘」内の旧ヴァンジ彫刻庭園美術館で、本・マルシェ・文学をテーマにしたイベント「BOOK PARK×mishima vege marche×伊豆文学アートミーツフェスタ in クレマチスの丘」が開催されました。本イベントは日本出版販売株式会社(略称:日販)を筆頭に、静岡県、静岡県駿東郡長泉町、ながいずみ観光交流協会、伊豆文学フェスティバル実行委員会、mishima vege marcheらが主催したもの。長泉町に新たな文化接点を創出し、“本を起点としたまちのにぎわい”をつくることを目的としたイベントです。
■“書店ゼロ自治体”に本との接点をつくる
日販は「すべての人の心に豊かさを届ける」という理念のもと、「地域に人と文化の交流拠点を創造する」ことを使命のひとつとして様々な事業を開発しています。その中で、今年2月、長泉町との間に「本を起点としたまちづくりに関する包括連携協定」を締結しました。長泉町は静岡県で最も人口増加率が高く、地方創生のモデルとして注目されている一方で、2023年8月以降、書店が一軒も営業していない、いわゆる“書店ゼロ自治体”です。両者は「本屋がないまちで、本を起点に、より豊かなコミュニティをつくること」を目的に、現在さまざまな場でにぎわいづくりに向けた計画を進めています。
協定締結以前の2023年9月には、長泉町内の下土狩駅周辺にて、駅周辺のにぎわい創出を目的とした社会実験「駅前リビング」の企画・運営が行われました。「駅前リビング」では本を柱に「学び」「芸術」「食」などさまざまな文化的アクティビティを楽しめる交流拠点を設け、町民の皆様から好評を得ただけでなく、実施前に比べてイベント当日の人流が約9倍にもなりました。その実績とノウハウから、さらに規模を拡大しての取り組みに期待が寄せられ、包括連携協定における取り組みの第1弾として行われたのが、今回の「地場のマルシェ、地域書店、地域企業との共催大型イベント」でした。
■かつて人々が芸術と自然を楽しんだ美しい庭園を、再び活気あふれる場所に
旧ヴァンジ彫刻庭園美術館は、美しい庭園とともに芸術体験の場として20年余にわたって親しまれてきたものの、2023年9月に閉館。施設からの要請で今年2月に静岡県に無償譲渡されたのち、新たな文化施設としての利活用計画が検討されてきました。今回のイベント開催は、かつて多くの人々が訪れ芸術と自然を楽しんだ場所に、再び文化との接点、にぎわいを生み出し、旧ヴァンジ彫刻庭園美術館を含むクレマチスの丘エリア全体の、今後の可能性を見出すことを目的としています。
イベントでは「BOOK PARK」「mishima vege marche(第40回)」「伊豆文学アートミーツフェスタ」の3つのテーマに分けたエリアで構成され、各エリアの間には遊具や休憩スペースを用意し、来場者は約2.4万平米の広大な敷地内を自由に回遊しながら、思い思いに文化に触れ、遊び、自然を満喫しました。
日販が主催するブックフェス「BOOK PARK」には、静岡県および近隣県の5書店が出店し(※)、各店の書店員が現地で直接来場者に本を販売することで、本との接点だけでなく、書店との新たな接点づくりにも貢献しました。
※出店(五十音順):Ginger Books cafe、TSUTAYA BOOKSTOREサントムーン柿田川店、長倉書店、マルサン書店、谷島屋書店
<参考>
ながいずみ観光交流協会ホームページ(https://www.kanko-nagaizumi.com/)